かわら版
  三菱マテリアル株式会社 直島製錬所 環境施設見学会
2019年2月25日 
環境広報部会 
 
        
 
    1.日時 2018年10月12日(金)14:00 〜 16:30  
 
    2.見学先 三菱マテリアル株式会社 直島製錬所
(香川県香川郡直島町)
 
 
    3.部会参加メンバー 北岡主査、野村副主査、志村、佐々木、齋藤、黒光、宮本、池田(敬称略)  
 
    4.見学施設 銅製錬(銅熔錬工場、銅電解工場)
貴金属工場
有価金属リサイクル施設
溶融飛灰再資源化施設
 
 
    5.見学内容    
 
  1) 直島製錬所  
 
    岡山県宇野港からフェリーで約20分、香川県高松港から約1時間に位置する直島、 その北部に位置するのが直島製錬所で、敷地面積約181万u、建屋面積約10万uの 巨大な工場である。  
    直島製錬所は1917年に創業し、電気銅、貴金属、硫酸、他を生産している。  
 
  2) 銅熔錬工場  
 
    銅熔錬工場では、銅鉱山で産出された銅鉱石を破砕し、粉状にした銅精鉱とスクラップ類、リサイクル品類を原料として、S炉、CL炉、C炉で構成される三菱連続製銅炉を用い、アノード(1m×1m×70mm 銅分99.2%)および銅スラグを生産している。  
    三菱連続製銅炉は、各炉間を樋で連結する連続式の操業法で省エネルギー化とともに発生するSO2ガスを飛散させずに回収する環境負荷を低減した製錬法である。  
    銅スラグはセメント原料やコンクリート骨材に利用される。  
    ここで回収したSO2ガスは硫酸工場へ送られ、硫酸と石膏を生産する。  
 
  3) 銅電解工場  
 
    銅熔錬工場で鋳造されたアノード(99.2%)は、銅電解工場で電解精製され純度99.99%以上の電気銅を生産する。  
    アノードの中に含まれるニッケルは粗硫酸ニッケルとして販売、金、銀、白金等はスライムとして回収され、そのスライムは貴金属工場で処理している。  
 
  4) 貴金属工場  
 
    銅電解工場で発生するスライムを原料として処理、精製し、金、銀、白金、パラジウム等を回収している。  
 
  5) 有価金属リサイクル施設  
 
    資源循環型社会構築のため2004年から有価金属リサイクル施設が稼働している。  
    有価金属リサイクル施設では、自動車・家電のシュレッダーダストや電子機器の廃基板などを処理し、有価物をスラグメタルとして、また熱を回収している。  
    回収されたスラグメタルは銅熔錬工場に送られ処理される。  
 
  6) 溶融飛灰再資源化施設  
 
    溶融飛灰再資源化施設は2003年から操業している。島外施設や製錬所内で発生する飛灰を再資源化している。  
    限りある資源を有効活用するための高度な技術を有し、資源循環型社会の形成に貢献している。  
 
    6.最後に  
 
    宇野港からフェリーで直島へ向かった。直島は現代建築とアートの島として有名になっているが、我々は、循環型社会を目指すエコアイランドプランに協力している直島製錬所を見学した。  
    直島製錬所は、金属製錬だけでなく、エコタウン事業(有価金属リサイクル、溶融飛灰の再資源化、サーマルリサイクル)に参画し、それまで最終処分されていた廃棄物等を有用な資源として回収することを実現し成果を挙げている。  
    また、島の基幹産業として島の環境の改善と発展に努めている。一例としては、毎年植林プロジェクトを推進しており、緑の島の復活に取り組んでいる。  
 
 
    以上