地球温暖化(おんだんか)の最大の原因となっている自然界の物質とは 3.二酸化炭素

 地球の平均気温は20世紀の100年間で、約0.6℃高くなりました。このまま何の対策(たいさく)も行わなかった場合、100年後にはさらに1.4℃~5.8℃も気温が高くなると予想されています。すると南極やグリーンランドの氷がとけて海面があがり、たくさんの国や島が水没(すいぼつ)の危険(きけん)にさらされます。
 地球温暖化(おんだんか)のおもな原因となっているのは私たちの社会がはき出す二酸化炭素です。南極や北極の氷にとじこめられている空気を調べると、過去40万年間変わらなかった二酸化炭素の量が、20世紀の100年間でとても増えていることがわかりました。(IPCC)
 そこで先進国では、二酸化炭素の排出(はいしゅつ)量を1990年のときに比べて5%減らすことを目標としています(日本は6%)。(京都議定書)

日本で使われているリユース容器は 3.宅配(たくはい)の牛乳びん

 リサイクルという言葉はとてもよく耳にしますが、環境を考えるうえでもう一つ大切なキーワードがあります。それは「リユース」。使い終わったものを洗うなどしてそのままの形で再使用することです。
 たとえば、宅配の牛乳びんはリユースの代表例。給食のときの牛乳びんも同じです。あきびんは回収後、きれいに洗われ、再び中味がつめられて配達されます。日本の飲料容器で他にリユースされている例をさがしても、ガラスびん以外にはなかなか見あたりません。
 リユースの場合、最初に工場でガラスびんをつくるときに原料やエネルギーを使いますが、その後、びんは洗って再使用されるので、全体として、省エネルギー、省資源、二酸化炭素の排出量が減るなど、環境に与える影響がとても少なくなります。
 リユースのびんを広くリターナブルびんといいます。それ以外のびんは細かくくだかれてカレットとなり、新しいびんの原料としてリサイクルされています。

あきびんの処理でまちがいは 3.ガラスびんは天然素材からつくられるので、できるだけうめ立てて自然にもどす。

 1.はリユース、2.はリサイクルのことで、どちらも資源を生かしてごみを出さない、環境のために良い方法です。
 わが国のうめ立て処分(しょぶん)場は、もうあと何年かでいっぱいになってしまいます。できるだけものをすてないで、うめ立てごみを減らさなければなりません。
 ガラスびんの場合はもしうめ立てられたとしても、自然にかえるような成分でできているので安全ではありますが、リユースとリサイクルというすばらしい方法を、私たちはきちんと守っていかなければなりません。

現在のカレット利用率は 1.約80%

 ガラスびんやグラスウールはカレットの利用率が特に高く80%以上、板ガラスで30%~50%となっています。
 高温でとかし直しても、成分や性質をまったくそこなうことがないガラスは、とてもリサイクルしやすい材料です。ガラスの原料としてカレットを利用すると、カレットを使わないときよりも少ないエネルギーで生産できるので、二酸化炭素の排出量も少なくなります。
 ガラスの各分野で、カレット利用率を高める工夫が続けられています。

環境(かんきょう)に与える影響(えいきょう)がもっとも少ない 2.リターナブルびん(リユースのガラスびん)

 ある製品が環境に与える影響を科学的に調べる方法があります。製品が原料から生産、流通をへて、リサイクルやリユース、あるいはごみになるまでの、環境に対するさまざまな影響を調べるライフサイクルアセスメント(LCA)とよばれるものです。
 あるLCAでは、リターナブルびんが環境にもっともやさしい容器であるということが証明されています。
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