※インタビューの全文を紹介しております。
 
リサイクルの社会文化環境学_02
_リサイクル評価システムの必要性
清家;私のところでやっているのは、あくまでも建物をつくったり、壊したりということと、社会という範囲で考えていることだったのですが、それを常に考えているとCO2排出量とかリサイクル量といった全く違う局面で、いろんな判断をする評価標が不足している。不足した状態で合意するというのは、やっぱり無理なので合意以前に説明できるようにしましょう、というところを、ここ数年取り組み始めています。

中井:そういう判断指標がリサイクルの原料、材料の面では確立できていない。

清家:ただ、ガラスが他の建築材料と比べて優秀だと思う点は、産業を超えてガラスという材料をリサイクルしているという点ですね。これは、鉄やアルミといった幾つかの材料でしかないのです。ガラスは他の建築資材と比べて、ガラスという材料で他産業のものと結びついている数少ない材料なんですね。それは金属材料の鉄やアルミ、そしてこのガラスぐらいしかない。他のものは、その建材の材料の範囲内で完結している。ガラスは板ガラス、しかも板ガラスと言っても建築でも自動車用ガラスでも共有できますよと、そしてびん、繊維などの違った材料の間で、違う廃棄物を共有しながら流れているという仕組みができている。実は、建設廃棄物の難しいところは、建設業の中で何とかとしようという何となくの枠組みやプレッシャーがあるのですが、建設業の中で何ともならないことは非常に多いのです。それを超えていろんな産業と連携しながらやることが求められているのですが、それが既にある程度実現しているのがガラスの先進的なところでして、他の材料もマテリアルレベルで他の産業と連携していろんなリサイクルをしなきゃいけないと思うのです。その中で、私が申し上げたようにですね、やはり足りないのは評価の方なんですね。建設業の廃棄物を他のところに流しました。ほかの業界に渡しているのではないかと批判されて、どうもこうもないのです。我々はこういう風にまわすことで、まわしているけど、すごくリサイクルに貢献しているんだという評価を出すことが出す側にもないとなかなか評価の指標がないわけです。
そのバランスによっては、成立しているリサイクルというのを、どう表現するか、それが政府や社会とかに説明できるような評価軸で捉えられないか。最近このガラスのリサイクル調査をしていて、そんなことを考えはじめますね。その指標についてはこの数年で検討して、提案していこうかと今、考えているところです。

中井:ガラスカレットの品質とも関わるのですが、私が所属しているガラス連合会は、板ガラス、びんガラス、ガラス繊維などの6つの団体が関わっていますが、それぞれがガラス産業連合で要求するカレット品質が違いますと、カスケード的に利用できればもっとリサイクル率が広がると思ったのですが、まさにそういう点ですね。

清家:そうですね。カスケードと言ってしまうと、なんだか品質の低いリサイクルに捉えられているかもしれませんが、大きなマテリアルフローの中で、ガラスというものを大事に使っていますと多少の品質をコントロールして、できるだけ上位のリサイクルと、少し不純物が入るならば、それなりのリサイクルという評価ができるという仕組みができると、もう少し融通が聞くのではないでしょうか。

中井:もっと、板ガラスがびんのガラスに使えるなど板ガラスが最もカレット品質に厳しいわけですから、むしろ他の産業にカレットを使ってもらっていて肩身が狭かったんですよ。その点が評価されるということであれば心強く思いますし、それと、もっとリサイクルが広がればと思うのですが。

清家:例えば、板ガラスの品質がいいことが他の産業にとって良い原料が得られるとなっているのであればそのことを評価項目に挙げてあげないと、なかなかそこを無責任だと言ってしまうとリサイクルを業者として取り組みにくいですよね。そこを良くやってくれていると、評価が見えるように、なんとかつなげていきたいな、と思っているのです。
 
 
 
 
文責:横浜国立大学 講師 志村真紀
 
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