かわら版
 CEC産業協力プロジェクト 社会人講師授業の概要報告
2004 
ガラス産業連合会環境広報部会 
           
 
● 社会人講師授業への取り組み
     
 
   
 私たちの身の回りには窓ガラスやガラスびん、ガラス食器などたくさんのガラス製品があります。電球や蛍光灯、テレビのブラウン管などもガラス製品です。しかし、あまりにも身近過ぎるので、その存在や価値を意識する機会は意外と少ないものです。また、断熱材のグラスウールや情報通信分野で欠かすことのできない光ファイバーなど、見えないところで活躍しているガラス製品もたくさんあります。
 環境の世紀とも言われる21世紀に入り、ガラス製品の環境親和性がますます見直されてきています。ガラスには本来、リユースやリサイクルがしやすいという素材的な特性が備わっています。循環型社会への移行が進むなかで、ガラスびんなどの環境調和型の製品の役割が今後も高まっていくことでしょう。
 また最近では、ナノテクノロジー等を応用した最先端のガラスが各方面から注目されるようになりました。例えば、現在人気を集めているプラズマや液晶ディスプレイには、ガラスの先端技術が応用されています。一般的にはまだあまり知られていませんが、IT関連やバイオ技術の分野では未来のガラスがすでに大躍進を始めています。
 このようにガラスは、生産者の立場から見ても、興味のつきない魅力にあふれています。
 そこでGICは、学校の授業の中で、生徒の皆さんがガラスの魅力にじかに触れながら、その環境親和性や最先端テクノロジーとの関連等について理解を深めていけるような、社会人講師授業プログラムを企画いたしました。2003年には財団法人CEC(コンピュータ教育開発センター)主宰の公募「産業協力授業プロジェクト」に「ガラス産業からみる環境と未来」を応募し採択されております(制作 株式会社NHKソフトウェア)。その詳細についてはCECのホームページに紹介されておりますので、ぜひご覧いただければ幸いです。

http://www.cec.or.jp/e2a/sangyou/

・産業分野別→窯業
・学校種別→中学校、高校

これからもGICは、教育現場に産業界の生の声をお届けしてまいりたいと考えております。
 
 
    ● CEC産業協力プロジェクト 社会人講師授業の概要報告  
     
 
    ○ 講師はガラス産業界の専門家  
 
   
 ガラスの最前線で活躍する現場の担当者が社会人講師を勤め、製品の企画開発や製造等にたずさわる講師自身の体験をもとに、ガラスの素材としての面白さやガラス産業の現在を伝える授業を行いました。
 
 
   

   
   
日本山村硝子(株) 黒田良一講師
(筑波大学付属坂戸高校)

「正倉院のガラス器は、千年以上たった今でもほとんど変化していません。」時代を越えるガラスの不変性を力説。
 
日本板硝子(株) 中井日出海講師
(新宿区立大久保中学校)

最近注目を集める防犯ガラス。
割れにくさを 実演で伝える。
 
 
    ○ IT教材や製品のサンプルを活用  
 
   
 パワーポイントツールやウェブコンテンツ、ビデオ教材等により、ガラスの多面的な魅力がより具体的に伝わるよう工夫いたしました。またガラス産業連合会ならではの、豊富な製品サンプルを用いた実演等により、実感のともなった授業構成を心がけました。
 
 
   

   
   
コンピュータールームでの授業
(筑波大学付属坂戸高校)
 
GICのメンバーが調べ学習をサポート
(筑波大学付属坂戸高校)
 
 
   

   
   
調光ガラスの実演
(新宿区立大久保中学校)
 
真空ガラスの断熱性実験
(新宿区立大久保中学校)
 
 
    ○ ガラス工場の見学  
 
   

   ガラス製品がどのようにつくられ、どのようにリサイクルされているのかを理解するには、ガラス工場の見学にかなうものはありません。 生徒の皆さんには、ガラスびんの製造とリサイクルを行っている工場を見学していただきました。高温と騒音でとても迫力のある現場です。ガラスの製造業にたずさわる担当者が職業意識を伝えました。  
   
原料についての説明に聞き入る。
(日本山村硝子東京工場見学)
 

 
 
    ○ ギヤマン彫り体験  
 
   
 電動ルーターを使ってガラスびんや皿に自由に模様を彫ることのできる、楽しいガラス工芸を授業に取り入れました。リサイクルについてもわかりやすく説明し、ガラスが天然素材であることを体感してもらいました。
 
 
   

   
   
ガラスの皿にデザインを転写。
(新宿区立大久保中学校)
 
講師:日本ガラス工芸学会 上松敏明講師
(新宿区立大久保中学校)