かわら版
 東京スーパーエコタウン見学
2013年10月28日 
環境広報部会 
     
○見学日 2013年6月27日(木)
 
    ○見学施設 東京スーパーエコタウン
1.東京臨海リサイクルパワー(株)
2.(株)リーテム
3.バイオエナジー(株)
 
 
○部会参加メンバー 加藤主査・師尾・鈴木・高橋・玉巻・二田水・米村・黒光・宮本
 
   
1.東京スーパーエコタウンについて

 東京都の中央防波堤最終処分場の寿命は、残すところあと50年ほどだそうである。その延命と廃棄物問題の解決を推進する目的で、東京都は首都圏の廃棄物処理問題の解決と環境産業の立地を促進するため、先進的な廃棄物処理施設・リサイクル施設の整備を推進。国の都市再生プロジェクトの一環として循環型社会への変革を目指している。
 平成14年に公募を開始し、東京臨海部の都有地(大田区城南島及び中央防波堤内埋立地)内に公募により選ばれた9施設が事業を開始している。見学当日はこのうち3施設(以下の通り)を訪問見学した。この企画は東京都環境局廃棄物対策部資源循環推進課が主催する。当環境広報部会以外にも、他団体や大手企業のグループが同乗した40人ほどが二手に分かれ用意された大型バスでの移動となった。       
 
 
   
2.ガス化溶融等発電施設(東京臨海リサイクルパワー株式会社様)

 サーマルリサイクルとマテリアルリサイクルで産業廃棄物と感染性医療廃棄物を扱い循環型社会に対応する国内最大のリサイクル施設。処理能力は産業廃棄物550トン/日(東京都廃プラ類排出量の1/3相当)、医療廃棄物50トン/日(東京都排出量の1/2)。発電能力は23000kw。
 廃棄物は中間処理業者や収集運搬事業者などから受け入れ、ガス化炉や旋回溶融炉、廃熱ボイラーなどで処理される。当施設で処理される廃棄物は、汚泥、廃プラスチック類、紙くず、木くず、繊維くず、ゴムくず、ガラス、コンクリート、陶磁器くず、廃酸、廃アルカリ、動植物性残渣、ばいじん、金属くずなど。
 主なリサイクル品は鉄、アルミ、スラグ、砂、夾雑物と電力。それぞれ建設資材会社や東京電力などへ売却される。処理灰は埋め立て処理されるが、埋め立て処分量ゼロを目指し、その容積は廃棄物のわずか2.5%と高い処理能力を誇る。 これにより、特に首都圏で逼迫している最終処分場の延命が期待されている(東京都の最終処分場はあと50年でいっぱいになるとされている)。東日本大震災の震災がれき受入れも実施しており、平成24年度の受入れ実績は30,700トン。
 
 
   
 
     
 
     
 
     
 
 
   
3.廃情報機器類等リサイクル施設(株式会社リーテム様)

 創業は茨城県水戸市で1909年という静脈産業の草分け企業。スーパーエコタウン内の東京工場と水戸工場で連携し、主に情報機器類の金属系廃棄物再資源化事業を営む。1日当たりの処理能力は864トン。工場内では廃棄されたコピー機やATMなどの機器類が大量に処理されている。
 場内に運びこまれた機器は人手で前処理として有害物や危険物が取り除かれた後、銅線やプラスチック類などが手選別される。その後、大型のクレーンで破砕設備に投入され、鉄や非鉄金属混合物に分別される。
 大型破砕機の処理能力は自動販売機が1台約3分という驚きの速さ。分別された鉄は電炉・高炉メーカーに売却、非鉄金属混合物はその後水戸工場へ運ばれてアルミやステンレスなど細かく分別される。破砕選別の実施により、高純度な原料回収が可能であり、また、破砕工程で出るサイクロン回収物は、エコタウン内のガス化溶融等発電施設(東京臨海リサイクルパワー株式会社)に送られサーマルリサイクルされており、ゼロエミッション処理を実施している。
 持続可能な社会の実現にはエコマネジメントが重要であるというビジョンをもとに、環境コンサルティング事業もグローバルに展開している。
 
 
   
 
   
 
     
 
   
4.食品廃棄物リサイクル施設(バイオエナジー株式会社様)

 日本国内における年間の食品廃棄量は、食料消費全体の2割にあたる約1,800万t。このうち、売れ残りや期限切れの食品、食べ残しなど、本来食べられたはずの、いわゆる「食品ロス」は500万t〜800万tで、そのうちの300万t〜400万t食品産業の廃棄物であるという(WFP発表の数値)。
 食品廃棄物から電気とバイオガス由来の都市ガス化に取り組む施設。分別が不十分な食品廃棄物の受入れを行っている。処理能力は100トン/日。メタン発酵システムを採用、日本で初めて生ごみを電気と都市ガスにリサイクル。肥料化や飼料化に比べ、電気やガスは都市部で安定した需要が見込める。

食品廃棄物100トン/日からの創出エネルギー

○ 発電電力量:24,000kWh/日(2,400世帯相当)
○ 都市ガス供給量:2,400m3/日(2,000世帯相当)
○ 回収熱量:77,400MJ/日(1,000世帯相当)
○ CO2削減効果:6,360トン/年(森林換算827ha=東京ドーム177個分に相当)
 
 
   
 
     
 
 
    以上