ガラスびんの分別大図鑑 びんをぐるぐるリサイクル&リターナブル


ガラスはけい砂やソーダ灰、石灰(せっかい)石などの天然素材とカレットという再生原料が主原料です。これらの原料を1500℃以上で溶(と)かすとソーダ石灰ガラスという種類のガラスになります。ガラスびんはほとんどがソーダ石灰ガラスです。同じ種類どうしのガラスであれば、使用後は細かく砕(くだ)き、溶かして何度でもガラスびんにリサイクルできます。また、洗って何度も使用するリターナブルびんもあります。
ガラスびんメーカーによるリサイクルは昭和49年に始まりましたが、リターナブルびんの歴史は明治時代までさかのぼります。ガラスびんは長い年月をかけて何度も分別され、ぐるぐる回っているのです。現在、ガラスはガラスびんと、ガラスびん以外のガラスに分別されています。2025年3月、分別排出(はいしゅつ)を分かりやすくするために「ガラスびんリサイクルマーク」の運用がスタートしました。

日本ガラスびん協会 (自主認定)ガラスびんリサイクルマークについて
ガラスびん3R促進協議会 エコヒストリー
日本ガラスびん協会 ガラスびんの歴史

ガラスびん(ソーダ石灰ガラス)について

原料 けい砂、石灰石、ソーダ灰、カレット(左から時計回りに)

カレット(茶、無色、その他色)

特長 1500℃以上で溶融(ようゆう)。比較(ひかく)的安価で加工がしやすいので様々な用途(ようと)に使用され、最も生産・流通しているガラス。熱膨張(ぼうちょう)が大きいため急激(きゅうげき)な温度変化にはあまり強くなく、酸に比較的強くアルカリには弱い。

ガラスびんの種類

1.ワンウェイびん
マーク 細かく砕かれてカレットとなり、何度でもガラスびんにリサイクル(水平リサイクル)されるワンウェイびんのシンボルマーク。
用途 飲料、食料、調味料、薬品、お酒等の容器
メリット 天然原料100%で製造した場合のガラスびんに比べ、カレットを76%使用すると28%のCO2が削減(さくげん)できる。
現在、国内のガラスびんのカレット使用率は約75%。
ガラスびん3R促進協議会 リサイクル
分別方法

キャップをはずしてさっと洗い、各自治体のルールに従(したが)って分別排出

リサイクルの流れ

※「リサイクルマーク」がついていないガラスびんも、資源としての分別排出にご協力ください。

2.リターナブルびん
マーク ガラスびんは内容物の香味や色が吸着(きゅうちゃく)しないため、リユースに適(てき)している。使用後は洗浄(せんじょう)され、くり返し使用されるリターナブルびんのシンボルマーク。
用途 ビール、お酒、飲料、牛乳(ぎゅうにゅう)、調味料、食料等の容器
メリット 500mlのリターナブルびんを5回リユースすると、GHGの排出量を65%削減。20回では77%削減。
※ GHG(Greenhouse Gas)とは温室効果ガスのことで、地球温暖(おんだん)化の原因となるCO2(二酸化炭素)、CH4(メタン)、N2O(亜酸化窒素(あさんかちっそ))、フロンなど
ガラスびん3R促進協議会 リユース
分別方法

購入(こうにゅう)した販売(はんばい)店が引き取りを行っている場合は返却(へんきゃく)できる。または、キャップをはずしてさっと洗い、集団回収や各自治体のルールに従って分別排出。

リユースの流れ

※一部の自治体では、空きびんの品質を維持(いじ)した状態で回収(かいしゅう)し、その中からリターナブルびんを選別して再使用につなげているケースもあります。また、リターナブルびんの回収日を定めているケースもあります。

3.ガラスびんと分別しなければいけないガラス
溶融温度や成分の異(こと)なるガラスがカレットに混じってしまうと、溶融炉(ろ)の中で均一に溶けないなど、ガラスびんの品質が劣化(れっか)します。これらのガラスはガラスびんとは別に、自治体のルールに従って、燃えないごみなどに分別してください。割(わ)れている場合は新聞紙などに包み、さらにマジックで「ガラス」と書いておくと、安全に排出・回収することができます。使えなくなった照明は交換(こうかん)後の空き箱に入れて排出するとわかりやすくなります。
耐熱(たいねつ)ガラス ソーダ石灰ガラスとは異なるホウ珪(けい)酸ガラスや結晶(けっしょう)化ガラス。
ガラス食器 ソーダ石灰ガラスも多く使われているが、クリスタルガラスや強化ガラスなども使われているため見分けにくい。
照明・建材用ガラス 金属やさまざまな材料が使われている。
乳白色のびん 陶磁器(とうじき)と区別ができない。

もっとくわしく!

→ 日本容器包装リサイクル協会 ガラスびんの分別基準

→ ガラスびん3R促進協議会

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